じゅんこイズム ~詩とか怪文書~

私の隙間に住み着いたあれやこれやを綴ります。好いてくれたらうれしいですが嫌ってくれても良いのです。

妄想意訳 映画【エゴイスト】

映画 エゴイストを観ました。

https://egoist-movie.com/index_sp.php

 

 

これはゲイの映画でも恋愛映画でもありません。


ひとりの

男気ある

純粋な

青年の

   

愛の物語です。


   

難解な考察が必要な従来の映画的演出ではなく昨今のアニメ作品に見られるような優しく子供でも分かりやすい表現が散りばめられておりセックスシーンを除けば家族で観たい映画です。


人気の美しい俳優達の組んず解れつが話題にはなっているものの本質はそこではありません。

なぜあれほどまでに作品で身体を見せつけたのか、それは『上辺だけを掬うような生易しい覚悟でこの作品に挑んではいない』という制作陣からの言わば"戦いの狼煙"に見えました。


それらは作品のかなり前半で繰り広げられ、展開の速さに振り落とされそうになりながらも中盤を過ぎてその意図が分かりました。冒頭で述べた通り描きたいのは"そこ"ではないのです。

   

ストーリー展開は予告編通りある程度予想のつくものではありましたが俳優たちのちょっとした仕草や演技でグッと内面へ引き込まれます。

   

性的マイノリティーと言われるけれど各々の世界観は十人十色です。それは異性愛者でも変わりません。ただ、どうしても世間には出せない分かってもらいにくい感情というものはあるようです。昔からそういった文化に興味があるわたしだから感情移入できた部分ももしかしたらあるかも知れませんね。親や友人に打ち明けられない、恋人が出来ても法的な関係が結べない、パートナーが入院手術になっても同意書一つ書くことが出来ない、運が悪ければ面会も出来ない、生涯のパートナーと決めていても財産を残せない。。。そういった不便さを抱えながら今日もお互いを想い合う人達がいます。

   

   

エゴイスト、とは利己主義と訳されます。

自分本位な振る舞いをする人をそう呼びます。

この作品の誰の、何が、エゴイストなのか。ラストシーンで分かります。わたしもあんな美しいエゴイスト達になりたい。


   

同性愛に嫌悪がある方にはオススメしないけれど、どこまでも透き通った映画でした。