じゅんこイズム ~詩とか怪文書~

私の隙間に住み着いたあれやこれやを綴ります。好いてくれたらうれしいですが嫌ってくれても良いのです。

素敵な《江戸しぐさ》

先日の記事にも書いたのだけど

江戸しぐさ》といって江戸商人から始まった慣習があります。



江戸時代は士農工商

侍はさておき、農民や職人は土地を変えても生きていけるのに対して縄張りの強い商人だけは土地を変えられないために助け合いや学び合いによって商売を回して行ったことが興り。



そこからさらに発展して、いかにカッコよく暮らすかの作法が生まれました。




江戸の町は人口密度が高く、気を付けないとぶつかったり、船に乗り損ねたり。また観光客や新参者も多く、気遅れさせないためのさりげない配慮が「あ、カッコいい!俺も次はああやろう」と広まっていったのだとか。

雨の日の路上ですれ違いざま傘を斜めにして通る『傘かしげ』なんかが有名です。


全ての人に尊敬を持って接する

相手に嫌な思いをさせない

いつも明るく気持ちよく接する


・・・それらが『癖』として身に染みていてこそ【江戸っ子】なのだ、というひとつの誇りでした。


その上、

「口酸っぱく教える」
「ダメな奴を排除する」
「テキストを読み込んで学ぶ」

などという無粋なことはご法度で、できる大人を真似るだけが習得方法とされたため詳しい文献は残っていないそうで。

なぜって『あたりまえ』だから。



文化ってこういうことを言うんだなあと知った時鳥肌が立ちました。


平たく言うと《紳士道》みたいなことでしょうか。


商人が9割をしめた江戸の町でいつしか職人たちにも粋な《しぐさ》が広まって町人中に浸透していって。


その全てが、どこまでも【クール】なもので。


図書館で書籍を少し見たけれどもっと知りたいなあと思いました。

 

 
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※イルカ模様の鍔。イルカは隠れキリシタンの隠語という説も。父のものです。こういった芸術の支えに町人の文化水準の高さがあったことは疑う余地がないなあと。